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コラム バックナンバー

 【脱原発へLNG輸入価格の引き下げ努力が肝要だ】
原発依存度を限りなくゼロに近づける一番現実的な解は、天然ガスでの代替だろう。だが、発電コストの問題がある。日本のLNG輸入価格は米国の約3倍と異常に高い。海上輸送費の負担があり、パイプライン輸送主体の欧米に比べてコスト高になるからだ。総括原価主義も問題だ。コストプラス適正利潤が認められるなら、LNG輸入価格の引き下げ努力をしなくなる。また、長期の安定供給を目的にすると価格は二の次になってしまう。脱原発へ向うには、LNG価格引き下げに真摯に取り組まなければならない。

2012/04/30


 【大震災から1年、エネルギーの何が変わろうとしているか】
東日本大震災から1年が経過し、エネルギーの世界では2つの変化が起った。1つめは天然ガス価値の急上昇だ。2009年の「改正代替エネルギー促進法」では、CO2排出の点から再生可能エネルギーへの代替が方向づけられたが、その評価が逆転した。二つめは、分散型エネルギーの高まりだ。コージェネは、主な用途が温水や蒸気などの熱供給から電気の供給へ変わったし、分散型エネルギーを面的に利用する「地域冷暖房」の需要も高まっている。

2012/03/26


 【ブルネイLNGと田中角栄の怨念】
田中角栄は現役当時、タンカー船団によるブルネイからのLNG輸入を考えていたという。ただ、ブルネイのLNGはアラスカに次いで2番目の導入で、売主の主役が英蘭系のシェルだったこともあり、米国政府からエネルギー確保の米国離れに疑念を抱かれたとも。真実は未だに闇の中だ。

2012/02/20


【これからのガス事業経営に求められるもの】

2012/01/16


【反対運動に立ち往生するカナダ】

2011/12/05


【地元貢献を一歩進めて街づくりに協力】

2011/10/31


【新たなLNG輸入先として浮かび上がるカナダ】

2011/09/26


【電力不足と超円高が加速する産業空洞化】

2011/08/22


【米エネルギー開発業界のリーク資料が明かす「シェールガス」影の部分】

2011/07/18


【現地でしか分からない離島「奄美大島」の悩み】

2011/06/13


【電力不足が加速する産業空洞化】

2011/05/02


【大震災と原発事故に直面して―「足るを知る」生活を心掛けよう】

2011/03/28


【住宅リフォーム市場で勝利せよ】

2011/02/21


【正常に戻った公営ガス譲渡価格】

2011/01/17


【急進展見せる北海道の天然ガス供給インフラ整備】

2010/12/06


【環境汚染問題に直面するカナダのオイルサンド産業】

2010/11/08


【「サハリン1」の天然ガス輸出はウラジオストク経由LNGで】

2010/09/27


【ガスは電気に駆逐されるのか】

2010/08/23


【姿が見えてきたスマートエネルギーネットワーク】

2010/07/19


【天然ガス自動車の普及に発想転換の知恵を】

2010/06/14


【CO2排出削減強化で天然ガスの価値は高まる】

2010/05/03


【米国の非在来型天然ガス生産がアジアにもたらす好影響】

2010/03/29


【先走りすぎた石油代替エネルギー法改正の中身】

2010/02/22


【エネファームが開く2010年代のエネルギー】

2010/01/18


外から来た目に映る都市ガス業界

2009/12/07


公営ガス事業の仕事ぶり

2009/11/02


我慢の季節の経営とは

2009/09/28


ガス事業者と地元貢献

2009/08/24


「電気に追われるガス」の構図は崩れるか

2009/07/20


コラム

● 山口 正康 ・ ジャーナリスト

 

1935年 生まれ
東京大学文学部卒、毎日新聞社入社、経済部編集委員、編集局次長などを経て、ガスエネルギー新聞常務取締役編集局長、仁愛大学教授などを歴任。
著書に「LNGチェーン物語」「新聞の歴史をたどる」など


これからのガス事業経営に求められるもの

 年頭に当たって、ガス事業者が今後どのような考え方で事業に取り組むかを考えたい。
 福島原発事故をきっかけとして、全国の原発がほとんど停止状態となり、余っていたはずの電力が突然不足する事態となった。ガス事業の立場から見ると、悩みの種だったオール電化攻勢が、東電以外の供給区域でもある程度弱まらざるを得ない状況となったことは、ガス事業の経営者たちをとりあえずほっとさせている。西日本方面でも、オール電化のテレビCMはほとんど姿を消したという。
 だからといって、失地回復のためにガスを売りまくればよいというものではない。東日本大震災は人々に「エネルギーを使いたい放題使い、食べられる食料を惜しげもなく捨てるといったこれまでの生活は、あまりにもぜいたくに過ぎた」という思いを強く抱かせた。生活価値観の転換が一気に進んだことを忘れてはならない。
 では、ガス事業者の経営は、今後どのような方向を見定めるべきか。
 原子力発電の落ち込み分を穴埋めするエネルギーとして、天然ガスの価値は従来にも増して重要になった。これまで以上に天然ガス普及に取り組むことがガス事業者に求められるようになったことが一番重要なポイントである。幸いなことに、シェールガスなどの好調な生産により世界の天然ガス資源量は十分である。環境への対応を考えると、とりわけエネルギー効率のよいガスコージェネレーションの普及に取り組むことが最重要な課題だ。
 一方、これからの家庭用営業については、一考を要する点があると思う。少子高齢化と人口減少が進む中で従来の家庭用販売は、新規顧客の獲得が次第に困難になっている。そのことを背景にガス事業者は、「暮らしの豊かさ」をキャッチフレーズとして、床暖房や浴室乾燥暖房機などの販売に力を入れ、パーメーターアップつまり1戸当たりの販売量を増やすことに腐心してきた。しかし、消費者の節約意識の高まりという新たな流れの中では、「使え、使え」の販売戦略は、節度をもって進めないと社会的に反感をもたれる恐れがある。そういう意識を鮮明に持った経営が必要になってきた。
 もうひとつ考えてほしいことは、(以前からある程度言われてきたことだが)消費者の立場に立った販売戦略や機器開発を進めてほしいということである。オール電化政策の誤りは、原発推進で電力(特に夜間電力)が余るからという電力会社の立場から進めたことだ。昨年東電が実施した計画停電は、電化機器を売りつけておいて電気を使うなという結果を招いた。オール電化住宅に住む人々の不安はいかばかりかと推察される。消費者の立場を重視するなら、ガス販売量が多少抑制されることになっても、ガス機器と太陽光など自然エネルギーの組み合わせなど、ガス一辺倒ではないエネルギー戦略が必要だ。

コラム

新井 光雄  ジャーナリスト

元読売新聞・編集委員。エネルギー問題を専門的に担当。
現在、地球産業文化研究所・理事 日本エネルギー経済研究所・特別研究員、総合資源エネルギー調査会・臨時委員、原子力委員会・専門委員
大正大学非常勤講師(エネルギー論)。
著書に 「エネルギーが危ない」(中央公論新社)など。
東大文卒。栃木県日光市生まれ。

最首 公司  エネルギー・環境ジャーナリスト

1934年 東京生まれ
上智大学新聞学科卒業後、東京新聞入社(のち中日新聞と合併) 主としてアラブ、エネルギー問題を担当日本アラブ協会理事GCC研究会を主宰している。
著書 『聖地と石油の王国 サウジアラビア』、『人と火』、『水素社会宣言』など。

矢島 正之  慶應義塾大学大学院教授

1947年 生まれ
国際基督教大学大学院卒、電力中央研究所に入所。
現在、同研究所研究顧問、慶応義塾大学大学院商学研究科特別招聘教授。
専門は公益 事業論、電気事業経営論。著書に、「電力自由化」「世界の電力ビッグバン」「電力改革」など

中瀬 信一郎  ジャーナリスト

毎日新聞社で経済部、政治部記者など
有料衛星放送のWOWOW取締役。昭和50年代初めにエネルギー業界を担当したことから、現在に至るまで電力業界を中心に取材を続けている。
一橋大経済学部を1964年卒、東京出身

山口 正康  ジャーナリスト

1935年 生まれ
東京大学文学部卒、毎日新聞社入社、経済部編集委員、編集局次長などを経て、ガスエネルギー新聞常務取締役編集局長、仁愛大学教授などを歴任。
著書に「LNGチェーン物語」「新聞の歴史をたどる」など

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