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ラムバックナンバー
飯倉 穣
2017/07/18 New!!
コーポレート・ガバナンス(企業統治)を考える
 最近、コーポレートガバナンス(企業統治)議論の一つとして、相談役・顧問制度の透明化を求める報道が増えている。本来企業統治とは、会社の経営を監視するのが本来の目的のはずだ。しかし、今では相談役・顧問制度の透明化を求めることが、民間経営に対する政府の介入糸口になっているように見える。本来企業の基本は自立自営にあるはずだ。企業組織・行動は、会社法、企業会計原則、税法などの周知・遵守で十分である。
矢島 正之
2017/07/10
非化石価値取引市場
 再生可能エネルギーや原子力の環境価値を証書化して市場で取引することを可能にする「非化石価値取引市場」が、今年度から創設される。しかし、本当に必要なのだろうか。我が国では、再エネの促進策としてFITを採用している。その中でオークションなどにより年間の開発量を設定すれば、市場を立ち上げなくてもよいのではないか。世界では、環境価値の証書化と証書取引のための市場を設立するクオータ制がある。非化石価値取引市場はその一部だといえるが、一般的にFITと非化石価値取引市場双方を採用する国はない。
最首 公司
2017/07/03
気になる宮廷クーデター
 カタールとサウジアラビアで、クーデターが勃発するかもしれない。6月、サウジアラビアやUAEなどの中東諸国がカタールとの国交を断絶した。その際、サウジアラビアは、カタールに対し、同国に拠点を置く衛星テレビ局アルジャジーラの閉鎖やイランとの交流縮小などを要求した。これにイランは黙っていないだろう。カタールに軍事基地を持つトルコも同様だ。カタールの現政権に不満を持つ部族をかついでクーデターを起こすかもしれない。これら2国は、サウジアラビアが関わっているイエメン内戦の調停国でもある。この理由で、今後サウジアラビアとの関係が悪化することがあれば、サウジアラビア国民の国王に対する不満が高まり、クーデターが引き起こされる可能性がある。
新井 光雄
2017/06/26
官僚に望みたい奮起
 今国会で審議されたテロ準備罪法案や、テレビなどのメディアで報道された森友・加計問題では、それらに対して発言した政府・関係省庁の役人の答弁で、不誠実さを感じた。外から見て常識的におかしなところを手続きの正当性に置き換えてしまうからだ。その点、前川前事務次官は、覚悟を持って発言しており、評価できる。おかしなことはおかしいと誰かが言わなければならない。
飯倉 穣
2017/06/19
教育無償化を考える
 教員無償化の話題が増えてきている。教育に対する介入は、どれほど必要なのだろうか。教育の機会については、私学を中心とした市場に任せるという議論がある。しかし、教育費に対する対価は、ビジネスと違い費用回収が難しい。また、子どもは、どのような境遇であっても、教育を受ける権利がある。何かしらの政府介入は必要だ。政府の試算によると、幼児教育から高等教育まで含めるとその費用は5兆円強かかるという。財源は、税、保険、国債、休眠預金を活用するらしい。政府はまず、どこに財源を投資するか優先順位をつけるべきである。
矢島 正之
2017/06/12
再生可能エネルギー入札制度の効果
再生可能エネルギーの支援抑制のため、事業者が電力を買い取る際に発生するプレミアムで入札額を決めているドイツでは、最近プレミアムゼロで落札する事業者が増えてきている。実際、落札したプロジェクトがペイするかはわからない。しかし、再生可能エネルギー電源の開発リスクを事業者が積極的にとる事例が増えてきているのである。ドイツの事業者はエネルギー転換を、ビジネスに生かせるチャンスとして捉えているようだ。
最首 公司
2017/06/05
西も東も「壁」だらけ
 トルコでは、2年前からシリアとの国境沿いに高さ3mのコンクリート「壁」の建設を始めているという。これまでIS要員のシリア入国を容認していたことを受けてのようだが、国民は「壁」建設を支持しているという。一方、イラクと国境を接するサウジアラビアの「壁」は、暗視カメラ、動体通報装置などが配備されるハイテク製だ。内戦中であるイエメン国境の「壁」は、戦闘員と麻薬取引者の不法侵入を抑えている。
新井 光雄
2017/05/29
憲法改正にエネルギー問題も
 ロシア、ドイツ、カナダなどの国には、憲法にエネルギーに関する条項がある。ならば、日本でもエネルギー問題に関わる憲法条項があってもおかしくない。具体的に何をどう入れていくかとなると難しいかもしれない。議論されることが重要だ。例えば、エネルギーの脆弱性という日本の問題を基に、憲法の中で「安全保障」を検討してもよいのではないか。
飯倉 穣
2017/05/22
人手不足を考える
 今年に入り「人手不足」という言葉がマスコミでよく取り上げられるようになった。歴史をたどると日本は2つの時期で人手不足を経験している。1つ目は高度成長が一段落した1970年代。生産性の高い製造業が、労働力を吸収し、低生産性部門からの人口移動を促した。2つ目は、80年代前半のバブル形成期。財政拡大・金融緩和政策により、設備投資が加速し、85年以降経済が膨張した。一方、13年1月から続いているアベノミクスによる景気拡大策では、雇用増加の8割が非製造業で、非正規の職を得ている。生産性の高い分野での雇用拡大がないのが特徴だ。
矢島 正之
2017/05/15
欧州の電気料金比較
 EU加盟国の中で家庭用電気料金を高い順番に並べると、デンマーク、ドイツ、イタリア英国となるが、租税公課を除くと、その順番が逆になり、デンマークが最も安くなる。これは、電気料金の高い国ほど電気料金に占める租税公課の割合が高いからで、デンマークでは7割を占めている。また、租税公課は、再生可能エネルギーの賦課金とも相関関係があり、電気料金を上昇させている。
最首 公司
2017/04/28
サウジもついに「サウジ人ファースト」
 サウジアラビアでも「サウジファースト」が流行っているという。サルマン副皇太子の主導で若年層に広がる失業率を下げると決めたからだ。今サウジでは、大型商業施設や民間企業で働く従業員のほとんどが外国人だ。シリアやイラク、アフガニスタンなどからは、地縁・血縁を頼って密入国する人も多くいるという。それらの人の流れを食い止めようとしているのだ。王国の実験が始まろうとしている。
新井 光雄
2017/04/24
「水素社会」は本当にくるか
 政府が水素社会の実現に向けた閣僚会議を発足させた。水素ステーションの拡充(20年までに160カ所)や水素自動車の普及(20年までに4万台)などに本腰をいれて取り組むためだ。確かに水素エネルギーは燃焼時に二酸化炭素を出さないため、地球温暖化対策には役立つ。カギは安い分解手段をいかに開発するかにかかっている。