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ラムバックナンバー
新井 光雄
2017/03/21 New!!
民進党の脱原発路線の非現実性
 民進党代表の蓮舫氏が、原発ゼロに前倒しにこだわっているというニュースが流れた。これまでの「30年代に原発ゼロ」を「30年に原発ゼロ」に変えるという。現実的な根拠がないから支持団体の連合から強い反発を受けて頓挫してしまったが、代表は「原発ゼロ基本法案」を総選挙までに国会へ提出する意向だという。ただ、それは、新エネルギー・省エネルギー頼の旧論に等しく、リアリティに欠けるものだ。
飯倉 穣
2017/03/13
働き方改革の淵源を考える
 安倍内閣が2016年に示した「ニッポン一億総活躍プラン」では、「高齢者雇用の促進」、「非正規雇用労働者の待遇改善」、「最低賃金引上げ」などを掲げている。しかし、この改革は、労働者に一定の光明を与えるとしても、雇用の根本である企業の発展にどの程度貢献するか不明である。必要なのは、働きを通じて物真似を超え新しいものを創造する人材の醸成ではないか。
中瀬 信一郎
2017/03/06
原子力御三家の覚悟は?
 東芝・日立製作所・三菱電機。その3社の最近の株価をみると、トップは三菱電機、次いで日立、東芝は大差のドン尻だ。東芝の転落は、東芝だけの問題では止まらない。東芝は、11年前に約6000億円の高値で買収して子会社化した米ウエスチングハウスの統制がうまくいかず、巨額損失で足を引っ張る始末。他の2社にしても、日立は米ゼネラルエレクトリックと合弁で日立GEニュークリア・エネジーを設立し、原子力事業を本体から切り出している。三菱重工業は仏アレバの要請で300億円出資することになったが、経営難のアレバと組むことにどれだけのメリットがあるのか不透明だ。
最首 公司
2017/02/27
サウジ・アラムコが注目する日本の地下水探査技術
 先日マレーシアで地下水探査の国際フェアがあり、そこに出展した日本のベンチャー企業の技術がサウジアラムコから注目された。著名な地質学者が「地下水はない」と明言した場所で、地下水を掘り当てたからだ。一定間隔で地中深くに打ち込んだ電極で電波を流し地下の構造を立体的に捉える技術に、サウジ・アラムコ関係者は舌を巻いたという。日本のベンチャー企業とサウジ・アラムコが合意すれば、サルマン国王来日前に実地テストが行われるかもしれない。
矢島 正之
2017/02/20
料金値下げ競争
 ドイツは1998年に電力の自由化に踏み切り、その1年後には大手電力会社間で需要家獲得のための料金値下げ競争が激化した。しかし、家庭用の需要家の変更率は5%にとどまった。メニュー変更にかかるコストが、料金支払いの削減よりも大きかったからである。料金の引き下げで財務が悪化した電力会社は、2000年ころから設備投資コストを補うため、料金の引き上げに踏み切り、最近まで料金は上昇し続けている。料金値下げ競争がお互いに利益にならないことが分かったドイツの電力会社は、その後値下げ競争を行っていない。
新井 光雄
2017/02/13
シェールガスは大丈夫か 厄介なトランプ大統領
 米国で生産されたシェールガスが日本へ輸入された。当然ながらシェールガスの輸入は将来に向けた期待の高まりにつながるのだが、トランプ大統領の登場でそう簡単には期待という言葉が使えなくなってきてしまった。もしトランプ氏が「日本へのシェールガス輸出禁止」といえばどうなるか。少なくとも「それはない」と言い切れる人はいないだろう。
飯倉 穣
2017/02/06
トランプノミクスの雇用第一を考える
 安倍晋三首相が1月20日に行った施政方針演説とトランプ政権の方針を比較してみた。「偉大な国」と「輝く日本」、雇用確保、成長志向。目標はおおむね一緒である。しかし、貿易は二国間FTAか多国間かで若干ニュアンスが違う。最近の思潮である「新自由主義」は市場重視・競争で多くの企業・雇用を不安定にして、それをバネに企業・労働者の活力を高め経済活性化を狙って来た。トランプ政権の雇用第一は、米国の新自由主義の流れを変えるであろうか。
中瀬 信一郎
2017/01/30
トランプ新大統領にかこつけて
 「アメリカ製品を買え、アメリカ人を雇え」という単純なルールで政権を語る米国トランプ大統領のツィッターが物議を醸している。「これが自分の政策だ、従わなければ痛い目に遭うぞ」と言っているのは恐喝に違いない。多様な意見を多角的に議論し、合意を得られたものが議会で法になるという手続きを無視しているからだ。しかし、トランプ氏は世界最強の国の大統領。メーカーが頭を下げるのも無理からぬことではある。
矢島 正之
2017/01/23
東電の再編
 経済産業省の有識者会議は昨年12月、東京電力の原子力事業や送配電事業の他社との再編・統合を盛り込んだ提言をまとめた。福島第一原発の事故処理費用を捻出するためである。しかし、事業の再編や統合は、本来電力会社の経営判断で行われるものである。例えば、巨額の資金を要する原子力発電所の建設は、共同事業で行うほうが確実だ。問題は、東電との再編・統合にメリットを見出す電力会社はいるのどうかだ。
最首 公司
2017/01/16
トランプ政権の対中戦略の切り札がウイグル問題
 ウイグル人の故郷である中国・現新疆ウイグル自治区は、70~80年代に石油や天然ガスの資源が見つかると、政府による土地の収用などにより、「漢人化政策」を強行された過去を持つ。オバマ政権は「人権外交」を唱えながら、ウイグル人活動家を「テロリスト」とすることを暗黙裡に了承していたが、トランプ政権ではどうなるだろうか。これまでトランプ氏は、ビジネス面から、中国の為替操作やダンピング商法を糾弾してきた。中国のアキレスけんともいうべき台湾を揺さぶり、さらにウイグル問題を中国攻めの切り札に考えているのだろう。
新井 光雄
2017/01/10
どうなる米国のエネルギー政策
 トランプ氏が米国の大統領に就任することで、エネルギー問題も大きな変化が生まれることが予想されている。化石燃料の復活だ。それは、オバマ政権が環境の視点から規制してきた石炭・シェールオイル・シェルガスといった化石燃料の開発を元の状態に戻すことであり、雇用の創出でもある。パリ協定は、批准してあるので、すぐには離脱できないが、削減目標の軽視はできる。なかなか厄介な大統領の誕生といえる。
飯倉 穣
2017/01/05
2017年度政府予算案を考える
 昨年12月、政府は17年度政府予算案を閣議決定した。歳出は97.5兆円で今年度当初予算比0.76%増である。報道によれば特会からの繰入でその他収入を積み上げている。かつ税収の前提が、来年度経済成長率が実質1.5%名目2.5%と高め設定である。これらを考えれば、歳入見積もりを額面通りに受け取れない。財政の基本的考え方は、財政支出のうち経常支出を税収で賄うことである。これは経済の原理、財政の基本原理である。