ラムニスト
新井 光雄最首 公司矢島 正之飯倉 穣
ラムバックナンバー
新井 光雄
2017/11/20 New!!
大企業病再考
 神戸製鋼や日産など、大企業の不祥事が続いている。「大企業病」という言葉がある。大きな方向性は良いが、細かな点を感じ取ることを、企業でできなくなっていることをいうそうだ。ただ、この問題、日本にとっての稼ぎ頭の企業の不祥事であるため、影響が大きすぎる。日本が代表する企業ならば、絶対に治す必要がある。
飯倉 穣
2017/11/13
人づくり革命を考える
 現在の日本経済は、米国と比べて先行きに不安感がある。これは、日米の大学格差に起因するのではないか。明治以降の日本の教育制度は、読み書きそろばんができる良き労働者の排出と、良き翻訳者の育成に貢献し、うまく機能した。一方、米国では、1980年代に、次の世代が前の世代より貧しくなるという見方が支配した。その時、大学が米国を再建すると主張した。大学は、最も国際競争力のある産業だからだ。翻って日本はどうか。構造改革の一環としての独立行政法人化は、大学人のモチベーション低下を生んだ。大学は実学に遠く、役立たないという評価もある。
矢島 正之
2017/11/06
ダイナミック料金普及の条件
 電力需給の状況を反映して料金が変化するダイナミック料金は、その料金形態が多様なため、家庭用需要家への普及があまり進んでいない。これを受け、欧州委員会では、ダイナミック料金の規則的なルールをつくるなどして、導入促進を図っている。理想的な形をとるならば、ダイナミック料金のリスクを需要家が捉え、十分なデマンドレスポンスが機能することだが、はたしてうまくことは運ぶだろうか。家庭用の需要家は、料金変化に応じてライフスタイルを変えることが難しいといわれている。
最首 公司
2017/10/30
カタールとイランの愛憎と日本の出番
 5カ月前、アラブ諸国から「村八分」にされたカタールの食料危機を救ったのが、イランだった。そのイランが、中国と組んで、パキスタンのグアダル港にLNG基地を建設することになった。実際、カタールのノースフィールド・ガス田は、イラン領まで延びている。カタールだけに吸われてたまるか、というのがイランの心情だろう。カタールで増設中のガスはどこへ向かうのだろうか。
新井 光雄
2017/10/23
個人的な故・両角元電発総裁の記憶
 元通産省事務次官、元電源開発(Jパワー)総裁の両角良彦氏が亡くなった。記者時代、よく両角氏と論戦した思い出がある。評すれば、「高踏的知性派」といったところか。しかし、その「特性」が問題だったように思う。かつて、両角氏の肝いりで、JパワーがCANDO炉(カナダ型)の原発を建設しようとしたことがある。当時Jパワーは、通産省の出先機関。民間の9電力は当然反対した。その時の両角は、9電力の理解を得ずに、強行しようとした。結局CANDO炉は頓挫してしまう。大間原発も、両角総裁時代に建設が決まった。
矢島 正之
2017/10/16
電力自由化と革新的サービス
 米国の電力自由化促進にあたり、グリーン電力とダイナミックプライシングがその一役を担っている。ダイナミックプライシングを提供する上で欠かせないのが、スマートメータだ。しかし、米国では電気料金への影響を考慮し設置に慎重な州も多い。インフラ構築の部分では、規制の役割は重要だ。インフラ構築に対して、効率化と投資のインセンティブを同時に付与する規制方式が求められている。
飯倉 穣
2017/10/10
国難突破解散と財政問題を考える
 安倍首相が衆議院の解散にあたり述べた「国難」のひとつに、財政問題がある。財政金融政策や輸出関連設備の投資などにより経済は好調だが、財政赤字は縮減せず、国債残高が累積しているからだ。現実の成長率ならば、財政再建には、30兆円超の増税か歳出削減が必要だ。各党は、選挙公約としてそれぞれの財政再建策を掲げる。しかし、予算改革や税金の有効利用など、国民に耳当たりのよいものばかりが強調され、経済の基本である財政均衡は軽視されている。
最首 公司
2017/10/02
中国に突っかかる北朝鮮の思惑
 北朝鮮は9月に6度目の核実験を行った。この実験に対し日本人以上に驚いたのは、中国の習近平国家主席だったに違いない。BRICs首脳会議の初日やG20首脳会議の閉会日、「一帯一路首脳会議」の開幕日など、習主席にとって重要な時期に核やミサイルの実験が行われているからだ。10月18には「全国党大会」が北京で開かれる。国連での中国の動きをけん制するため、金正恩はまた危なっかしいことを仕掛けてくるかもしれない。
新井 光雄
2017/09/25
受け入れがたい総選挙
 衆議院の解散・総選挙。政治評論家は、「自民党には大義がない。勝てるけんかに出た」としている。筆者は、特定の支持政党を持たず、その時の社会状況に応じて投票してきた。今回はどうか。森友・加計問題は個人でどう対応してよいかわからない。憲法や社会保障問題も、今、総選挙で問うべきではないだろう。嫌な選挙に思える。
飯倉 穣
2017/09/19
概算要求基準を考える
6月に公表された政府方針では、GDP600兆円と、2020年度の財政健全化目標が掲げられている。歳出面では、ワイズスペンディング(賢い支出)やインセンティブ強化を、歳入面では、民間シェア向上による課税ベース拡大、税制の見直しを図るようだが、いずれも効果は疑わしい。これまでさまざまな内閣が財政再建に取り組んできたが、オイルショック以降の内閣で唯一成果を出したのは鈴木善幸内閣のときだろう。なぜなら、鈴木内閣には財政危機の認識があり、シーリングを徹底して行ったからだ。
矢島 正之
2017/09/11
米国における電気料金の動向
米国の電気料金は、1997年の小売り自由化開始以降、自由化州、規制州それぞれで値上げされ、2016年の平均は3.5セント/kWhだった。気になるのは、自由州が規制州より電気料金が高くなることだ。原因は、天然ガスの価格動向にある。例えば、卸電力市場での決済価格は、最後の落札価格であるガス火力の短期限界コストで決まるため、比較的価格は安定している。一方、規制州では、発電価格が全電源平均コストで決まる。天然ガス価格が高くなれば、自由州と規制州の料金格差はさらに広がることになる。
最首 公司
2017/09/04
“切り札”を失うトランプ・ゲーム
トランプ政権の切り札がなくなりつつある。トランプ氏を当選に導いたフリーパス主席補佐官、バノン主席戦略官、フリン国家安全保障担当補佐官が次々に辞任。信頼できる側近は、マティス国防長官とティラーソン国務長官そして身内しかいない。最後の切り札である低所得者層が離反すると、トランプ・ゲームは終了する。