ラムニスト
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ラムバックナンバー
新井 光雄
2017/04/24 New!!
「水素社会」は本当にくるか
 政府が水素社会の実現に向けた閣僚会議を発足させた。水素ステーションの拡充(20年までに160カ所)や水素自動車の普及(20年までに4万台)などに本腰をいれて取り組むためだ。確かに水素エネルギーは燃焼時に二酸化炭素を出さないため、地球温暖化対策には役立つ。カギは安い分解手段をいかに開発するかにかかっている。
飯倉 穣
2017/04/17
海外企業買収(東芝問題)を考える
 東芝によるWH買収の判断で、多数問題が指摘されている。核心はWHの債務保証だろう。保証を求められれば、当然何かおかしいと本来は感じるはずだ。この甘い判断の原因には、経営者、働く人の意識の問題があるのではないか。民間は、商品サービスの提供で代金という形で自分の稼ぎを得る。故に苦労も多い。しかし、企業が成熟していくとその原点を忘れがちになる。自分の金を自分に使えば、節約して効用の最大を狙う。しかし、他人の金を他人のために使えばどうか。節約不明、効用不明となる。つまり「福祉の欺瞞(ぎまん)」が経営者や働く人に忍び込むのである。
中瀬 信一郎
2017/04/10
電力業界の再々編成
 3月31日に発表された東京電力のトップ人事では、取締役の平均年齢が8歳若返った。東電が負う廃炉や賠償などの費用が合計21兆5000億円。それを毎年5000億円ずつ数十年にわたってまかなうとなれば、思い切った手を打たなければならないのだろう。経済産業省の有識者会議が取りまとめた提言は、東電を官主導で再編成しようというものだった。今回の電力自由化は、どのような理念に基づいているのか。今のところ、電気料金を安くすることしか見えてこない。
矢島 正之
2017/04/03
電力小売り全面自由化の成果
 電力小売りが開始されてから1年が経過した。とはいえ、家庭用需要家による供給事業者の変更率は、約5%程度と低いままだ。そもそも家庭用需要家は電気料金の節減意識が高い産業用需要家と違い、普段の生活で電気を意識していないし、電気料金メニューの情報を積極的に得ようとしない。仮に600円程度の節約であれば、変更を考える需要家はあまりいないだろう。欧州では、家庭用需要家の変更を促すため、需要家への電気料金節減情報の提供や変更時に発生する取引コストの低減などが実施されている。
最首 公司
2017/03/27
欧州で広がる“原発テロ“の恐怖
 2月から3月にかけて欧州諸国を旅してきた。その時感じたのは、空港や駅、港、そして街中でも警官の姿が多いことだ。昨年3月、ブリュッセル国際空港と地下鉄連続テロが発生した直後、フランス国境近くにあるティアンジュ原発が突然停止し、ベルギー保険省が全原発の半径20km以内の住民にヨウ素剤を配布したことがあった。その時、原発の警備員が殺害され、管理施設に入るための暗証番号が盗まれたという。テロリストの矛先が核施設に向けられてる現状を改めて知った。
新井 光雄
2017/03/21
民進党の脱原発路線の非現実性
 民進党代表の蓮舫氏が、原発ゼロに前倒しにこだわっているというニュースが流れた。これまでの「30年代に原発ゼロ」を「30年に原発ゼロ」に変えるという。現実的な根拠がないから支持団体の連合から強い反発を受けて頓挫してしまったが、代表は「原発ゼロ基本法案」を総選挙までに国会へ提出する意向だという。ただ、それは、新エネルギー・省エネルギー頼の旧論に等しく、リアリティに欠けるものだ。
飯倉 穣
2017/03/13
働き方改革の淵源を考える
 安倍内閣が2016年に示した「ニッポン一億総活躍プラン」では、「高齢者雇用の促進」、「非正規雇用労働者の待遇改善」、「最低賃金引上げ」などを掲げている。しかし、この改革は、労働者に一定の光明を与えるとしても、雇用の根本である企業の発展にどの程度貢献するか不明である。必要なのは、働きを通じて物真似を超え新しいものを創造する人材の醸成ではないか。
中瀬 信一郎
2017/03/06
原子力御三家の覚悟は?
 東芝・日立製作所・三菱電機。その3社の最近の株価をみると、トップは三菱電機、次いで日立、東芝は大差のドン尻だ。東芝の転落は、東芝だけの問題では止まらない。東芝は、11年前に約6000億円の高値で買収して子会社化した米ウエスチングハウスの統制がうまくいかず、巨額損失で足を引っ張る始末。他の2社にしても、日立は米ゼネラルエレクトリックと合弁で日立GEニュークリア・エネジーを設立し、原子力事業を本体から切り出している。三菱重工業は仏アレバの要請で300億円出資することになったが、経営難のアレバと組むことにどれだけのメリットがあるのか不透明だ。
最首 公司
2017/02/27
サウジ・アラムコが注目する日本の地下水探査技術
 先日マレーシアで地下水探査の国際フェアがあり、そこに出展した日本のベンチャー企業の技術がサウジアラムコから注目された。著名な地質学者が「地下水はない」と明言した場所で、地下水を掘り当てたからだ。一定間隔で地中深くに打ち込んだ電極で電波を流し地下の構造を立体的に捉える技術に、サウジ・アラムコ関係者は舌を巻いたという。日本のベンチャー企業とサウジ・アラムコが合意すれば、サルマン国王来日前に実地テストが行われるかもしれない。
矢島 正之
2017/02/20
料金値下げ競争
 ドイツは1998年に電力の自由化に踏み切り、その1年後には大手電力会社間で需要家獲得のための料金値下げ競争が激化した。しかし、家庭用の需要家の変更率は5%にとどまった。メニュー変更にかかるコストが、料金支払いの削減よりも大きかったからである。料金の引き下げで財務が悪化した電力会社は、2000年ころから設備投資コストを補うため、料金の引き上げに踏み切り、最近まで料金は上昇し続けている。料金値下げ競争がお互いに利益にならないことが分かったドイツの電力会社は、その後値下げ競争を行っていない。
新井 光雄
2017/02/13
シェールガスは大丈夫か 厄介なトランプ大統領
 米国で生産されたシェールガスが日本へ輸入された。当然ながらシェールガスの輸入は将来に向けた期待の高まりにつながるのだが、トランプ大統領の登場でそう簡単には期待という言葉が使えなくなってきてしまった。もしトランプ氏が「日本へのシェールガス輸出禁止」といえばどうなるか。少なくとも「それはない」と言い切れる人はいないだろう。
飯倉 穣
2017/02/06
トランプノミクスの雇用第一を考える
 安倍晋三首相が1月20日に行った施政方針演説とトランプ政権の方針を比較してみた。「偉大な国」と「輝く日本」、雇用確保、成長志向。目標はおおむね一緒である。しかし、貿易は二国間FTAか多国間かで若干ニュアンスが違う。最近の思潮である「新自由主義」は市場重視・競争で多くの企業・雇用を不安定にして、それをバネに企業・労働者の活力を高め経済活性化を狙って来た。トランプ政権の雇用第一は、米国の新自由主義の流れを変えるであろうか。