ラムニスト
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ラムバックナンバー
新井 光雄
2017/09/25 New!!
受け入れがたい総選挙
 衆議院の解散・総選挙。政治評論家は、「自民党には大義がない。勝てるけんかに出た」としている。筆者は、特定の支持政党を持たず、その時の社会状況に応じて投票してきた。今回はどうか。森友・加計問題は個人でどう対応してよいかわからない。憲法や社会保障問題も、今、総選挙で問うべきではないだろう。嫌な選挙に思える。
飯倉 穣
2017/09/19
概算要求基準を考える
6月に公表された政府方針では、GDP600兆円と、2020年度の財政健全化目標が掲げられている。歳出面では、ワイズスペンディング(賢い支出)やインセンティブ強化を、歳入面では、民間シェア向上による課税ベース拡大、税制の見直しを図るようだが、いずれも効果は疑わしい。これまでさまざまな内閣が財政再建に取り組んできたが、オイルショック以降の内閣で唯一成果を出したのは鈴木善幸内閣のときだろう。なぜなら、鈴木内閣には財政危機の認識があり、シーリングを徹底して行ったからだ。
矢島 正之
2017/09/11
米国における電気料金の動向
米国の電気料金は、1997年の小売り自由化開始以降、自由化州、規制州それぞれで値上げされ、2016年の平均は3.5セント/kWhだった。気になるのは、自由州が規制州より電気料金が高くなることだ。原因は、天然ガスの価格動向にある。例えば、卸電力市場での決済価格は、最後の落札価格であるガス火力の短期限界コストで決まるため、比較的価格は安定している。一方、規制州では、発電価格が全電源平均コストで決まる。天然ガス価格が高くなれば、自由州と規制州の料金格差はさらに広がることになる。
最首 公司
2017/09/04
“切り札”を失うトランプ・ゲーム
トランプ政権の切り札がなくなりつつある。トランプ氏を当選に導いたフリーパス主席補佐官、バノン主席戦略官、フリン国家安全保障担当補佐官が次々に辞任。信頼できる側近は、マティス国防長官とティラーソン国務長官そして身内しかいない。最後の切り札である低所得者層が離反すると、トランプ・ゲームは終了する。
新井 光雄
2017/08/28
政治のなかの原子力
「反原発」を掲げる政治家が2人出てきた。一人は、自民党の河野太郎・外務大臣。前回の閣僚入りで少しトーンダウンしたが、今回の入閣は「反」が評価されたとの見方だ。もう一人は、民進党の前原誠司・元外務大臣。民進党代表選出馬にあたり、脱原発を明確に打ち出した。小池東京都知事の「都民ファースト」はどうだろうか。原発への姿勢はまだ示されていない。いずれそれを問われることになるだろう。
飯倉 穣
2017/08/21
金融検査マニュアル見直しを考える
6月9日の日本経済新聞で、銀行経営を監視する「金融検査マニュアル」を廃止するという観測記事が掲載された。金融マニュアルは1999年に制定され、金融行政の回復や不良債権問題解決などの役割を担った。その一方で、多くの雇用を抱え、頑張っている企業を見捨て、過酷な状況を作り出した。とはいえ、金融マニュアルを廃止しても、過去のバブル経済の失敗を経験した経営者・金融機関なら、大きく姿勢を変えることはないだろう。そうすると同じ過ちが繰り返されることになる。
矢島 正之
2017/08/07
米国の家庭用需要家は電力小売全面自由化の利益を享受しているか
家庭用の需要家は、1997年に始まった米国の小売り全面自由化で、電気料金支払額の削減を享受できたのだろうか。種々の調査では、高い料金を支払わせられている場合もあれば、削減できた場合もあるという。しかし、実際は、契約している電力会社を変更するスイッチングの削減額を正確に把握していない需要家が多いのではないか。多くの事業者は料金を割安に見せるため、様々な工夫をしてくる。そのため、それぞれの特性を理解した上でないと、本当に安くなったのかを判断するのは難しい。
最首 公司
2017/07/31
パナマ運河を制する中国・・・次の狙いは?
これまで米国の軍事的影響下にあったパナマに異変が起きている。1912年の建国以来パナマと国交を維持してきた中華民国(台湾)に代わり、中華人民共和国(中国)が台頭してきたからだ。例えば、中国の企業「嵐橋集団」は、台湾・蔡英文総統のパナマ訪問と時期を同じくして、同国のコロン市にある島マルガリータ島に港湾施設を建設。その後99年間の租借権を得ている。中国企業によるマルガリータ島開発は、中国の「一帯一路」構想の一環であり、米国の裏庭といわれるカリブ海諸国や南米市場への拠点になる可能性がある。
新井 光雄
2017/07/24
興味深い「メディア報道放談」
 月刊「エネルギーフォーラム」の連載「メディア報道放談」は、エネルギー業界の広報担当者から見たメディアの一面を知ることができて面白い。例えば6月号では、東電会長人事でその問題点を追及できなかった記者を「気配り記者」とやゆしていた。元記者として、「納得」、「違うぞ」など自らの反応を楽しんでいる。
飯倉 穣
2017/07/18
コーポレート・ガバナンス(企業統治)を考える
 最近、コーポレートガバナンス(企業統治)議論の一つとして、相談役・顧問制度の透明化を求める報道が増えている。本来企業統治とは、会社の経営を監視するのが本来の目的のはずだ。しかし、今では相談役・顧問制度の透明化を求めることが、民間経営に対する政府の介入糸口になっているように見える。本来企業の基本は自立自営にあるはずだ。企業組織・行動は、会社法、企業会計原則、税法などの周知・遵守で十分である。
矢島 正之
2017/07/10
非化石価値取引市場
 再生可能エネルギーや原子力の環境価値を証書化して市場で取引することを可能にする「非化石価値取引市場」が、今年度から創設される。しかし、本当に必要なのだろうか。我が国では、再エネの促進策としてFITを採用している。その中でオークションなどにより年間の開発量を設定すれば、市場を立ち上げなくてもよいのではないか。世界では、環境価値の証書化と証書取引のための市場を設立するクオータ制がある。非化石価値取引市場はその一部だといえるが、一般的にFITと非化石価値取引市場双方を採用する国はない。
最首 公司
2017/07/03
気になる宮廷クーデター
 カタールとサウジアラビアで、クーデターが勃発するかもしれない。6月、サウジアラビアやUAEなどの中東諸国がカタールとの国交を断絶した。その際、サウジアラビアは、カタールに対し、同国に拠点を置く衛星テレビ局アルジャジーラの閉鎖やイランとの交流縮小などを要求した。これにイランは黙っていないだろう。カタールに軍事基地を持つトルコも同様だ。カタールの現政権に不満を持つ部族をかついでクーデターを起こすかもしれない。これら2国は、サウジアラビアが関わっているイエメン内戦の調停国でもある。この理由で、今後サウジアラビアとの関係が悪化することがあれば、サウジアラビア国民の国王に対する不満が高まり、クーデターが引き起こされる可能性がある。