ラムニスト
新井 光雄最首 公司矢島 正之中瀬 信一郎飯倉 穣
ラムバックナンバー
新井 光雄
2017/05/29 New!!
憲法改正にエネルギー問題も
 ロシア、ドイツ、カナダなどの国には、憲法にエネルギーに関する条項がある。ならば、日本でもエネルギー問題に関わる憲法条項があってもおかしくない。具体的に何をどう入れていくかとなると難しいかもしれない。議論されることが重要だ。例えば、エネルギーの脆弱性という日本の問題を基に、憲法の中で「安全保障」を検討してもよいのではないか。
飯倉 穣
2017/05/22
人手不足を考える
 今年に入り「人手不足」という言葉がマスコミでよく取り上げられるようになった。歴史をたどると日本は2つの時期で人手不足を経験している。1つ目は高度成長が一段落した1970年代。生産性の高い製造業が、労働力を吸収し、低生産性部門からの人口移動を促した。2つ目は、80年代前半のバブル形成期。財政拡大・金融緩和政策により、設備投資が加速し、85年以降経済が膨張した。一方、13年1月から続いているアベノミクスによる景気拡大策では、雇用増加の8割が非製造業で、非正規の職を得ている。生産性の高い分野での雇用拡大がないのが特徴だ。
矢島 正之
2017/05/15
欧州の電気料金比較
 EU加盟国の中で家庭用電気料金を高い順番に並べると、デンマーク、ドイツ、イタリア英国となるが、租税公課を除くと、その順番が逆になり、デンマークが最も安くなる。これは、電気料金の高い国ほど電気料金に占める租税公課の割合が高いからで、デンマークでは7割を占めている。また、租税公課は、再生可能エネルギーの賦課金とも相関関係があり、電気料金を上昇させている。
最首 公司
2017/04/28
サウジもついに「サウジ人ファースト」
 サウジアラビアでも「サウジファースト」が流行っているという。サルマン副皇太子の主導で若年層に広がる失業率を下げると決めたからだ。今サウジでは、大型商業施設や民間企業で働く従業員のほとんどが外国人だ。シリアやイラク、アフガニスタンなどからは、地縁・血縁を頼って密入国する人も多くいるという。それらの人の流れを食い止めようとしているのだ。王国の実験が始まろうとしている。
新井 光雄
2017/04/24
「水素社会」は本当にくるか
 政府が水素社会の実現に向けた閣僚会議を発足させた。水素ステーションの拡充(20年までに160カ所)や水素自動車の普及(20年までに4万台)などに本腰をいれて取り組むためだ。確かに水素エネルギーは燃焼時に二酸化炭素を出さないため、地球温暖化対策には役立つ。カギは安い分解手段をいかに開発するかにかかっている。
飯倉 穣
2017/04/17
海外企業買収(東芝問題)を考える
 東芝によるWH買収の判断で、多数問題が指摘されている。核心はWHの債務保証だろう。保証を求められれば、当然何かおかしいと本来は感じるはずだ。この甘い判断の原因には、経営者、働く人の意識の問題があるのではないか。民間は、商品サービスの提供で代金という形で自分の稼ぎを得る。故に苦労も多い。しかし、企業が成熟していくとその原点を忘れがちになる。自分の金を自分に使えば、節約して効用の最大を狙う。しかし、他人の金を他人のために使えばどうか。節約不明、効用不明となる。つまり「福祉の欺瞞(ぎまん)」が経営者や働く人に忍び込むのである。
中瀬 信一郎
2017/04/10
電力業界の再々編成
 3月31日に発表された東京電力のトップ人事では、取締役の平均年齢が8歳若返った。東電が負う廃炉や賠償などの費用が合計21兆5000億円。それを毎年5000億円ずつ数十年にわたってまかなうとなれば、思い切った手を打たなければならないのだろう。経済産業省の有識者会議が取りまとめた提言は、東電を官主導で再編成しようというものだった。今回の電力自由化は、どのような理念に基づいているのか。今のところ、電気料金を安くすることしか見えてこない。
矢島 正之
2017/04/03
電力小売り全面自由化の成果
 電力小売りが開始されてから1年が経過した。とはいえ、家庭用需要家による供給事業者の変更率は、約5%程度と低いままだ。そもそも家庭用需要家は電気料金の節減意識が高い産業用需要家と違い、普段の生活で電気を意識していないし、電気料金メニューの情報を積極的に得ようとしない。仮に600円程度の節約であれば、変更を考える需要家はあまりいないだろう。欧州では、家庭用需要家の変更を促すため、需要家への電気料金節減情報の提供や変更時に発生する取引コストの低減などが実施されている。
最首 公司
2017/03/27
欧州で広がる“原発テロ“の恐怖
 2月から3月にかけて欧州諸国を旅してきた。その時感じたのは、空港や駅、港、そして街中でも警官の姿が多いことだ。昨年3月、ブリュッセル国際空港と地下鉄連続テロが発生した直後、フランス国境近くにあるティアンジュ原発が突然停止し、ベルギー保険省が全原発の半径20km以内の住民にヨウ素剤を配布したことがあった。その時、原発の警備員が殺害され、管理施設に入るための暗証番号が盗まれたという。テロリストの矛先が核施設に向けられてる現状を改めて知った。
新井 光雄
2017/03/21
民進党の脱原発路線の非現実性
 民進党代表の蓮舫氏が、原発ゼロに前倒しにこだわっているというニュースが流れた。これまでの「30年代に原発ゼロ」を「30年に原発ゼロ」に変えるという。現実的な根拠がないから支持団体の連合から強い反発を受けて頓挫してしまったが、代表は「原発ゼロ基本法案」を総選挙までに国会へ提出する意向だという。ただ、それは、新エネルギー・省エネルギー頼の旧論に等しく、リアリティに欠けるものだ。
飯倉 穣
2017/03/13
働き方改革の淵源を考える
 安倍内閣が2016年に示した「ニッポン一億総活躍プラン」では、「高齢者雇用の促進」、「非正規雇用労働者の待遇改善」、「最低賃金引上げ」などを掲げている。しかし、この改革は、労働者に一定の光明を与えるとしても、雇用の根本である企業の発展にどの程度貢献するか不明である。必要なのは、働きを通じて物真似を超え新しいものを創造する人材の醸成ではないか。
中瀬 信一郎
2017/03/06
原子力御三家の覚悟は?
 東芝・日立製作所・三菱電機。その3社の最近の株価をみると、トップは三菱電機、次いで日立、東芝は大差のドン尻だ。東芝の転落は、東芝だけの問題では止まらない。東芝は、11年前に約6000億円の高値で買収して子会社化した米ウエスチングハウスの統制がうまくいかず、巨額損失で足を引っ張る始末。他の2社にしても、日立は米ゼネラルエレクトリックと合弁で日立GEニュークリア・エネジーを設立し、原子力事業を本体から切り出している。三菱重工業は仏アレバの要請で300億円出資することになったが、経営難のアレバと組むことにどれだけのメリットがあるのか不透明だ。