ラムニスト
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ラムバックナンバー
飯倉 穣
2018/02/19 New!!
バブル崩壊の姿を考える
 今年の初め、エコノミストの間で、日本経済はいつバブルとなり、いつ崩壊するのかという論が行き交った。そもそもそバブルの予測は可能であろうか。経済現象として捉え、資産価格上昇、経済過熱、信用膨張を挙げる人もいるが、いかにバブル形成を予測するか判然としない。幾つかの指標を基にしてバブル経済の先行きを考えてみた。
矢島 正之
2018/02/13
送電線の空き容量
 京都大学の研究グループは1月、都内のシンポジウムで、全国の基幹送電線の年間送電線利用率が19.4%にとどまっているという結果を発表した。ただこの分析には批判もある。1年間に送電線に流せる電気の最大量と実際に流れた量を比較した理論値だからだ。実際、経済産業省も、停電防止のため、原則的に2回線のうちの1回線分を平時に使用する50%の利用率が最大容量としている。
最首 公司
2018/02/05
急変するサウジアラビア
 サウジアラビアで禁止されている女性の自動車運転が、6月に解禁される。サウジ女性47人が、首都リヤド市内を自動車でデモ行進したのが1990年。当時デモに参加した女性たちは、夫や父親が呼び出され、始末書を書かされた。政府は、女性が自動車の運転を禁止する理由を、アラビア半島という聖地に異教徒(米軍)の駐留を許可する代償だとしていた。それが今、大きく変わろうとしている。
新井 光雄
2018/01/29
環境という言葉の存在感
 1970年代ころから、市民が「公害」という言葉とともに「環境」という言葉を使いだし、その後、多くの場で使われるようになった。しかし、ここ最近、「環境」という言葉のエネルギーが薄れてきているように思える。なんとなく「環境問題」があると感じながらも、具体策は専門家集団だけに特化されて存在するものといったところか。
福島 伸享
2018/01/22
「エネルギー基本計画の見直しに必要な論点」 (福島伸享、1月22日)
 今年は、昨年から総合資源エネルギー調査会で始まったエネルギー基本計画見直しの議論が本格化する年だ。その中で原子力の位置づけは、脱原発を目指す政治勢力にとって最大の論点になる。例えば、脱原発派にとって原子力は、「原子力ムラの既得権益の確保」とみるだろう。一方、エネルギー政策を立案する立場からすれば、3E(安定供給、経済性、環境)の政策目標を達成するための帳尻合わせに一番便利なのが、原子力である。政府がエネルギー政策の帳尻を合わせに、今後も原子力に一定の役割を位置づけるのであれば、すべては絵に描いた餅になり、日本のエネルギー政策が抱える問題は解決しないだろう。
飯倉 穣
2018/01/15
「2018年度予算を考える」(飯倉穣、1月15日)
 2018年度の予算案は、一般会計で97兆7000億円となり、6年連続で増加した。歳入・歳出の数値をみると、消費増税負担を求めた割に公債への依存度が依然として高いままだ。また、若干の増税は行われたものの、前年度末の補正予算も含めると、目立つ歳出の抑制は見られない。日銀や赤字国債頼りの予算編成を継続しているようだ。景気膨張の下、財政事情を考慮せず、一か八かでさらに経済引き上げを狙った政府の意図が見えてくる。
矢島 正之
2018/01/09
「電力自由化と需要家満足度」(矢島正之、1月9日)
 米国では、全面自由化が始まった2000年頃から00年代半ばまで、自由化している州の満足度が、自由化していない州よりも高かった。しかし、それ以降は、規制州が自由化州を上回るようになっている。ドイツでは、電気料金の継続的な上昇で既存電力会社への満足度が低下し、新規参入者へのスイッチングが進んでいる。しかし、競争の激化で、11年と13年に大手の新規参入2社が破綻し、新規参入事業者の信頼性が揺らいだ。自由化による需要家満足度は、短期でなく長期で評価しなくてはならない。
最首 公司
2017/12/25
「恥をかいたサウジアラビア」(最首公司、12月25日)
 エルサレムの「神殿の丘」では、イスラム教徒とユダヤ教徒が同じ道を通らないような配慮がなされている。「和平」といいながらも異教徒とは交わらない。かといってけんかをすることもない。これが複数の聖域が集まった住民の均衡感覚なのだろう。その均衡をトランプ大統領が破った。これにサウジアラビアはショックを隠せない。トランプ大統領のリヤド訪問時には、エジプト、UAE、バーレーンなどのトップを招聘したアラブ・イスラム首脳会議を主催し、米国との親密ぶりを見せつけていたからだ。トランプの決定後、イスラム協力機構の首脳は、トルコの呼びかけで、イスタンブールに集結した。
新井 光雄
2017/12/18
「油断は大敵『歴史は繰り返す』」(新井光雄、12月18日)
 1973年のオイルショックの時、一記者として直面した。だからこそ、エネルギー問題は「国の安全」に関わる極めて重要な課題だという意識が、体に染み込んでいる。今年の10月に中東が騒がしくなった。しかし、石油危機を予感させる報道はない。歴史は繰り返すといわれる。せめて第四次中東戦争の勃発と石油危機くらいは、頭の隅に思い出しておくべきではないか。
飯倉 穣
2017/12/11
「税制改正(賃上げ減税)を考える」(飯倉穣、12月11日) 
 税制改正の一環として、賃上げ減税が導入されようとしている。しかし、過去を振り返ると、時代に即した賃上げの教訓があった。高度経済成長期の時代では、製造業が生産性を高めて、ほかの産業の賃上げをけん引した。オイルショック後は、物価高騰に伴い生産性の上昇に伴わない賃上げ交渉が労使間で行われたが、政府は、ベア水準の抑制に成功した。一方、バブル期とその崩壊後では、実力以上の賃上げを行う事業者が増えた。その結果、2000年代には、非正規雇用の増加が顕著になった。政府は、賃上げを迫るのではなく、マクロバランスを考慮すべきだ。
矢島 正之
2017/12/04
「電気事業のデジタル革新」(矢島正之、12月4日)
 電気事業のデジタル化には、3つのステップがある。1つめのステップでは、電子決済やメーター読み取り値のポータルサイトへの入力など、需要家の効率化を図る段階だ。2つめのステップでは、消費量と基準値を比較するなど、提供するサービスの範囲を拡張する。最後の第3ステップでは、これらのビジネスモデルを破壊し、全く新しいビジネスモデルが出現する。この段階では、新たに設計したビジネスモデルをいかに早く経営に取り込んでいくかが重要になる。しかし、多くの電力会社は、それを可能にするような経営資源を持ち合わせていない。
最首 公司
2017/11/27
「トルコの裏技」(最首公司、11月27日)
 トルコには、日本にないものが2つある。1つは、幅100mある大通りの中央を独占して走る乗り合いバス。バス停は電車のホーム並みに50mある。レールを敷くよりも手軽に建設でき、混雑に応じて走行台数も調整可能だ。ただ、排気ガスを大量に出す欠点がある。もう1 つは、町中にある公園だ。子供用のブランコや滑り台、回転遊具などと一緒に、成人用の鉄棒やあん馬が配置され、子供と高齢者が同じ場所で過ごしている。このような場を日本でもつくるべきだろう。