EPレポート

・ 【視点】カーボンリサイクルの課題 2019/04/01

 カーボンリサイクルという名でCO2回収・利用(CCU)に注目が集まっている。CCS(CO2回収・貯留)では回収されたCO2は地下に貯留されるだけだが、CCUでは回収したCO2を利用して収入が期待できる。CO2を耐久素材に変えて固定すればゼロ排出となるし、燃料に変換して再び燃焼しても、もともと大気に放出される筈だったCO2が出るのだからCO2中立と主張できる。これがビジネスとして成立すれば確かに素晴らしい。

・ 【エネルギーを見る眼】原子力の情報発信の在り方 マスコミに丁寧な提供を 2019/04/01

周囲に影響を与えるインフルエンサーの選び方は


 日本原子力文化財団(JAERO)が3月に公表した2018年10月実施の「原子力に関する世論調査」の結果と分析は、人間の意思決定の根拠などを考える上でも、エネルギー広報戦略を考える上でも、興味深い材料である。世論調査はJAEROが06年度から毎年、ほぼ同趣旨の質問で行っている定点観測である。

・ 【EWN】普及するスマートデバイス 米国では半数が保有 2019/04/01

冷暖房、照明・換気、セキュリティーに活用


 インターネットなどへの通信機能を備え、採録したデータや外部データを処理することが可能なスマートデバイスが普及しつつある。既に米国では2人に1人、ミレニアム世代(25~34歳)では64%が何らかの住宅用スマートデバイスを保有しているとの調査会社報告もある。

・ 【スポット解説】原発の運転期間の見直し カウントストップの検討を 2019/04/01

 原子力発電所の運転期間について、規制の見直しを求める声が出ている。現在の制度は福島第一原発事故の後、民主党政権時に制定されたもので、40年運転し、1回に限り20年の延長を認める。しかし、「40年」、「60年」に技術的根拠はなく、海外を見ると、多くの国で原発の運転期間に法的制限はない。欧米で40年を超える運転を行っている発電所の例を見ると、設備の更新や保守活動を行うことで安全性に影響はないとされている。

・ 【視点】英国保守派が持つ安全保障上の懸念 2019/03/21

 英国出張時、保守派とされるシンクタンクと面談する約束があり、アクセスを調べようと住所で検索を掛けたところ、まずウキペディアで「その住所の建物には保守派が集まり、EU離脱派の巣窟(そうくつ)になっている」との表示が出てきた。ウキペディアに掲載されるほど保守で有名な人たちの話なので、少しバイアスが掛かっているかもしれないが、EU離脱が英国のエネルギー政策に与える影響と原子力をどう見るかについて話が聞けた。
 EU離脱は、エネルギー供給面では英国に大きな変化をもたらすことはなく、温暖化対策に熱心なEUの元を離れると、英国はもっと柔軟性を持った温暖化目標を定めることができる、特に、EUの再エネ政策から自由になれることは英国にはプラスと、離脱派らしき主張だった。

・ 【エネルギーを見る眼】予測から導き出せるか エネルギー産業の構想と戦略 2019/03/21

過渡期のエネルギーをどう支えていくのか


 エネルギー産業にとって経営戦略ほど難しいものはない。経営学では、目標を決めることは戦略の範疇に入らないが、戦略が目標に至るまでのシナリオであることを考えると、エネルギー産業の「目標」の社会性は戦略策定に重要な意味を持つ。
 エネルギー産業の目標は、安定供給やインフラという言葉に代表されるように、社会そのものを支えながら社会の中で規定され、社会が決めるという難しさがある。「過渡期のエネルギーをどのように支えていくのか」という議論が聞かれるが、過渡期の先に何があるのかという構想そのものが曖昧の中で過渡期という言葉もつかみ所がない。

・ 【EWN】需要増とCO2排出削減は無理 BPエネルギー予測に見る矛盾 2019/03/21

再エネとガスが一次エネルギー成長に責任


 BP社の「BPエネルギー予測(2019年版)」が2月に発表された。エネルギー関係者が誰もが参考にする「BP統計」と並んで、将来のエネルギーに関して、BPの分析・意思決定をサポートするために作成したものだ。
 国際エネルギー機関(IEA)が昨年11月13日に発表した「エナジーアウトルック 2018」と同様に、いくつかのシナリオを提示しながら、今後の動向を解析している。

・ 【スポット解説】電気の経過措置料金撤廃へ 競争状況の審査に着手 2019/03/21

 2020年の電気の経過措置料金撤廃に向けた議論が、大詰めを迎えている。電力・ガス取引監視等委員会・電気の経過措置料金に関する専門会合(座長=泉水文雄・神戸大学大学院教授は2月22日、経過措置の解除基準となる①消費者の状況、②十分な競争圧力の存在、③競争の持続性確保――の三つの項目のうち、既に専門会合でコンセンサスが得られている①、②について各エリアが解除の基準に適合しているかどうかの審査に着手。まず、議論の俎上に上ったのは、東京・関西エリアだ。

・ 【視点】ホモ・デウス(超人類)という未来 2019/03/11

 話題の書『ホモ・デウス』(邦訳版2018年9月刊)を読んだ。著者はイスラエルの歴史学者ユヴァル・ハラリ。彼には本書に先立つ大作『サピエンス全史、16年刊』があり、各国語に翻訳され全世界で800万部を超える大ベストセラーになっている。人類を生物種の一つと位置づけ、その過去・現在・未来を新しい視点で眺める新鮮さが読者を惹きつけているようだ。
 現人類ホモ・サピエンスは、7万年前の認知革命、1万年前の農業革命、500万年前の科学革命という三つの革命を経験、その都度自らをアップグレードして飢餓・疫病・戦争の制御に成功してきたとみる。

・ 【エネルギーを見る眼】なぜ人の認識は間違うのか 事実と思い込みのギャップ 2019/03/11

関心フィルターにある10個の本能の穴


 原子力エネルギーを今後どのように考えるか、という議論において、社会全体の意見が重要であることは言うまでもない。原子力の分野では、従来から一般社会の原子力に対する理解を促進目的としたコミュニケーション活動が行われてきていたが、その多くは(現在も)「欠如モデル」に基づく啓蒙型の活動である。一般市民は知識が足りないことが原因で、原子力を必要以上に怖がり反対するのだから、欠けている知識を教えてあげれば理解は促進するはずだという考え方である。

・ 【EWN】天然ガスへの代替では不十分 経済成長とCO2削減の矛盾 2019/03/11

米国は高成長で3%の排出増


 昨年の世界のCO2排出量は前年比約3%増と、近年の横ばい傾向から一転したようだ。このCO2排出増は、温暖化対策よりも経済成長を明らかに優先している、いわゆる「途上国のせいだけではない。OECD(経済開発協力機構)地域も同様で、国際エネルギー機関IEAは昨年5年ぶりに0.5%増と推定している。OECD地域の排出量が5年ぶりに増加したのは、米国が昨年3%以上も前年比で増加したと見られる要因が大きいようだ。

・ 【スポット解説】2050年に向け進展する技術 畜エネルギーなどトレンドに 2019/03/11

 エネルギー総合工学研究所が報告書「2050年に向けたエネルギー技術展望」をまとめた。パリ協定を踏まえて、わが国は50年にCO2排出量を15年比で80%削減することを目指している。報告書は、50年にCO2排出80%削減を前提条件として、太陽光・風力の再生可能エネルギーの導入度合、原子力の利用の有無(高位活用を含む)、CCS(CO2回収・貯留)の有無などを変えた六つのケースについて、技術動向などの分析を行ったもの(CCSなしのケースは解が得られず割愛)。これらの結果を踏まえて、50年超えに向けたエネルギーシステムとして、三つのメガトレンドを提示している。

・ 【視点】反原発運動に参加する動機は 2019/03/01

学識者が震災後のデモ参加者を分析


 上智大学のグローバル・コンサーン研究所が1月、反原発デモなどの社会運動を分析したシンポジウムを開いた。会合は、運動を分析するアカデミズムというよりは、いかにして活性化させるかという、反原発集会そのものの雰囲気に満ちていたが、内容は示唆に富むものだった。

・ 【エネルギーを見る眼】政治混乱続くベネズエラ 一層の原油生産減は不可避に 2019/03/01

米国の経済制裁の影響大きく


 南米ベネズエラで2人の大統領が正統性を主張し、混乱が広がっている。チャベス前大統領の路線を継承するマドゥロ現職大統領に対して、欧米各国が暫定大統領に承認したグアイド国会議長は公正な選挙のやり直しを求めている。

・ 【EWN】太陽光と蓄電池のプロジェクト ハワイ電力が大規模購入を契約 2019/03/01

100万kW時を超える蓄電池を導入


 米ハワイ州で垂直統合型の電気事業を営むハワイ電力(HECO社)は2018年12月31日、複数の事業者が計画しているメガソーラー発電と蓄電池を組み合わせた計7プロジェクト(太陽光発電設備容量計26万2000万kW、蓄電池出力計26万2000万kW、設備容量計104万8000万kW時)と電力購入契約(PPA)を締結し、ハワイ州公益事業委員会に対し認可申請を行ったことを公表した。

・ 【スポット解説】太陽光発電の導入に逆風 自立求められる関連業者 2019/03/01

 中国の太陽光発電システムの2018年の導入量は440万㎾と、17年の530万㎾から約17%減少した。これまで世界のけん引役だった中国市場にブレーキがかかった格好だ。また日本でも、20年度にも大規模太陽光発電を環境影響評価(アセスメント)の対象に含めるなど、導入に逆風が吹いている。

・ 【視点】出力抑制時の余剰インバランスは「0円」 2019/02/21

基本政策小委が新たな算定方針で合意


 経済産業省資源エネルギー庁は、2月4日の総合資源エネルギー調査会(経済産業相の諮問機関)電力・ガス基本政策小員会(委員長=山内弘隆一橋大学大学院教授)で、再生可能エネルギーの出力制御実施時の余剰インバランスの算定方法について、制御を実施している当該エリアの余剰インバランス料金を「1kW時当たり0円」に設定する方針を提示、了承された。パブリックコメントを経て省令・告示を改正した上で、4月1日に新たな算定方法による運用を開始する。

・ 【エネルギーを見る眼】変化する中国の消費構造 非化石エネとガスが主役に 2019/02/21

非化石エネは一次エネルギー消費の14%に


 中国は2018年の経済成長率が6.6%と減速する一方、都市化やモータリゼーョンと産業構造的転換(付加価値、グリーン化)が進んでいる。それに伴い、石油・ガスの需要が増加している。エネルギー需給ギャップが一段と拡大し、対外依存度が高まり、またエネルギーの消費構造も変化しつつある。

・ 【EWN】エネルギー消費大国インド 増大する石油・ガスの海外調達 2019/02/21

日米の協力で「ダイヤのネックレス」戦略を構築


 2017年のBP統計によると、16年のインドの一次エネルギー消費量の構成は石炭57%、石油30%、ガス6%、水力4%、再生可能エネルギーなど2%、原子力1%。また現地報道によると、電源構成(17年3 月)は、石炭59%、水力14%、天然ガス8%、原子力2%、石油2%、再生可能エネルギー(風力、太陽光、バイオマス、小水力など)18%となる。

・ 【スポット解説】1F汚染水タンクのリプレース進む 発生量も減少傾向に 2019/02/21

 1月下旬、東京電力福島第一原子力発電所(1F)を視察した。各原子炉の状況は、まず4号機は2014年末にプールからの燃料取り出しが完了。3号機では燃料取り出しに向けたドーム屋根や、燃料取り扱い機、クレーンを設置し終え、3月から取り出しを開始する予定だ。一方、1号機ではオペレーティングフロアのがれき撤去を、2号機ではオペレーティングフロア全域の汚染や設備状況の調査段階となっている。

・ 【視点】競争激化で大手電力の苦境が鮮明に 2019/02/11

燃料負担増で増収・減益に


 1月31日に出そろった大手電力10社の2018年4~12月期連結決算は、売上高の合計が14兆9035億円と前年同期比6.2%増加した。一方、経常利益は5930億円と同26.6%減少した。収益の柱である電力販売量は、関西電力と東北電力を除く8社で減った。10社合計では同2.1%減の5651億㎾時だった。16年4月の電力小売りの全面自由化後、他の大手電力や新電力に顧客を奪われたことが響いた。

・ 【エネルギーを見る眼】変化するエネルギーの地理 需要急増の中国・インド 2019/02/11

天然ガス需要が大幅増に


 国際エネルギー機関(IEA)では世界のエネルギー需給見通しを毎年刊行している。最新版「ワールドエネルギーアウトルック 2018」は昨年11月に発表されたので、既に旧聞に属することであろう。しかし、今年に入って1月11日、勤務先の日本エネルギー経済研究所がアウトルック2018をテーマに国際シンポジウムを開催し、それをきっかけに考え始めたことがあるので、ここで書かせていただく。

・ 【EWN】アフリカ産が大量流入へ 市場流動化で価格高騰も 2019/02/11

「迷えるLNG」としてアジア市場にも


 日本のLNG買い手にとって、これまでアルジェリア、ナイジェリアなどのアフリカ産はあまり縁がなく、印象も関心も薄かった。これまではアフリカ産の案件は、距離の近い欧州市場を売り先として立ち上げられた案件がほとど全てだった。日本には時々、欧州市場で余った玉がスポット物として輸入される程度であった。

・ 【スポット解説】「環境と経済の好循環」を 首相が気候変動対策を強調 2019/02/11

 安倍晋三首相は1月23日,スイスで開催されたダボス会議に5年ぶりに出席して演説を行った。6月に大阪市内で開催されるG20サミットに向けた日本の取り組み方針を表明し、その一つに気候変動対策を挙げて、CCU(二酸化炭素の回収・貯蔵・利用)と水素などイノベーションによる解決が必要と強調した。

・ 【視点】原発輸出の「挫折」が教えるものは 2019/02/01

再考迫られる日本の戦略


 日本政府が成長戦略の一つとして進めてきた海外への原子力発電所の輸出が、行き詰ってきた。三菱重工業がトルコで、そして日立製作所が英国が進めてきた原発計画がともに建設費用の増大で、撤退が濃厚になってきている。政府が原発輸出を国策として掲げたのは2005年のことだが、政府と産業界が一体となって進めてきたこの戦略は、大きな見直しを迫られることになる。

・ 【エネルギーを見る眼】借りた技術と “意図しない”省エネ 2019/02/01

効率的推進に求められる長期的な視座


 政府は2030年に向け、日本経済がオイルショック後に実現したようなスピードでの省エネの実現を目指している。高い省エネ目標は、その勝算があることを必ずしも意味しない。3E+Sの探求において、むしろ日本も欧州も、原発依存度の低下、石炭火力の縮小、再エネ推進による電力価格の高騰など、他の手段に手詰まり感があるとき、それは中心的な課題へと返り咲く。

・ 【EWN】台湾政府が方針変更 洋上風力開発に黄信号 2019/02/01

デンマーク大手は開発から撤退を示唆


 台湾政府が進める洋上風力の開発に、滞りが生じている。政府は、2020年までに国内で合計550万kW相当の洋上風力発電の開発権を事業者へ付与し、25年までにそれらの運転を開始するという計画を立てている。
 18年4月にはFIT(固定価格買い取り)公募(383万6000kW)、6月には競争入札(166万kW)が行われ、今後、さらに開発が進んでいくものと思われていた。

・ 【スポット解説】再エネ自立化をより促進へ 導入委員会が中間整理 2019/02/01

 総合資源エネルギー調査会(経済産業相の諮問機関)の再エネ大量導入・次世代ネットワーク小委員会(委員長=山地憲治・地球環境産業技術研究機構理事・研究所長)は1月17日、中間整理(第2次)案をまとめた。
 わが国は、再生可能エネルギーを重要な低炭素の国産エネルギー源と位置付けている。その最大限の導入と国民負担の抑制との両立を図り、2030 年度のエネルギーミックスの着実な達成を目指しているが、高コストや系統接続などの課題も多い。

・ 【視点】水道法改正に理不尽な批判 2019/01/21

事業の根深い課題解決が急務


 2018年12月6日に成立した改正水道法は、野党や朝日新聞などの一部メディアが、「命に係わるインフラを民間に売り飛ばすのか」「料金値上げや水質悪化につながりかねない」などと猛反発し、大きな話題を呼んだ。

・ 【エネルギーを見る眼】自然変動電源の出力抑制 九電の対応は正しかったか 2019/01/21

市場メカニズムを使って抑制量の縮小を


 2018年10月、九州電力は本土では初の変動再生可能エネルギー電源の出力抑制を実施した。出力抑制は1年以上前から予想され、事前に入念に準備し、粛々と実行された。事後検証の体制も整備されており、広域機関および資源エネルギー庁の委員会での検証の結果、九電の送配電部門の行動に大きな問題がなかったことが確認された。

・ 【EWN】原油の協調減産で合意 急接近するサウジとロシア 2019/01/21

中東情勢により混沌が生じる危険性も


 石油輸出国機構(OPEC)の加盟国と非加盟産油国による共同閣僚監視委員会は、ロシアなどの非加盟を交えて協調減産を行うために設置された。OPECの指導国であるサウジアラビアとロシアの指導者や政府高官が相対で話し合っただけでは、その他の国の参加意識を高めらない。この委員会からの情報公開や強制力の担保により、協調減産の効果を世界の市場に訴える力を増すためである。

・ 【スポット解説】 2019/01/21

 経済産業省の調達価格算定委員会(委員長・山内弘隆一橋大学大学院教授)は1月9日の会合で、2019年度以降のFIT(再生可能エネルギーの固定価格買い取り)制度による事業用太陽光(10~500㎾未満)の買い取り価格を、現行の1㎾時当たり18円から同14円に引き下げる方針を示した。パブリックコメントを経て、今年度中に経済産業相が正式に決定する。20%超の大幅な引き下げにより、再エネ導入に伴う国民負担の軽減を図る。

・ 2019年エネルギー・環境政策の行方 2018/12/21

政策は温暖化対策が軸に


 もうすぐ2019年を迎える。来年のエネルギー政策はどのような展開となるのか――。その行方を左右する一つの要素が、地球温暖化対策だ。19年6月までに、「気候変動長期戦略」が取りまとめられ、それを踏まえて「30年度までに温室効果ガスを13年度比26%削減」を目標に掲げた国際公約の見直しに着手する計画だ。
 現在、環境省が検討中のカーボンプライシングや炭素税の導入をはじめ、ESG投資の拡大と気候変動リスク情報開示要請の高まりの中で、石炭を中心とした火力発電に対するプレッシャーは今後さらに強まっていくのは必至だ。そうした中で、原子力の再稼働やリプレース、再エネ主流化に向けた取り組みがどのような展開を見せるのかも注目される。

・ 【エネルギーを見る眼】OPEC総会で辛くも 維持された産油国の結束 2018/12/21

生産調整を主導するサウジとロシアに反発も


 石油輸出国機構(OPEC)は昨年12月6日、ウィーンで定例総会を開き、2019年1月以後も原油減産態勢を維持することを決めた。この措置は、翌7日の非OPEC産油国との会合で19年1月から半年間、産油国全体の減産量を日量120万バレルとする合意に結実した。
 定例総会は、直前にカタールのOPEC離脱表明があり、組織としての結束が問われる中で開催された。そのことはOPECの盟主を自認するサウジアラビアの指導力をこれまで以上に問うことになったが、結果としては、同国はロシアの協力を取り付け、2大生産国が生産調整を主導する態勢が当面維持されることを示した。

・ 【EWN】値上がりを続ける 英国の標準変動料金 2018/12/21

ガス・電力市場局が上限価格を設定


 1998年に家庭用小売市場までの自由化をスタートさせた英国では、新規事業者のマーケットシェアが2割を超えるなど、小売事業者による競争が進展している。
ただ、料金メニューについては、各社とも積極的にメニューを選択しない需要家向けのデフォルト・サービスとして提供されている標準変動料金(SVT)の適用が多くなっている。
 SVTは、卸価格の変動を反映して随時改定を行うことが認められている。そのため、各社の割引料金メニューより割高となる点や、予想外に高額な請求となり得る点、また期間を特定した割引契約の終了後に自動的にSVT適用となる点などが問題となっていた。

・ 【スポット解説】「もんじゅ」の復活も 問われる高速炉の研究開発 2018/12/21

 高速炉の研究開発の在り方が問われている。経済産業省は12月3日、高速炉開発会議の下に設けた戦略ワーキンググループ(WG)の会合で、今後10年程度の研究開発を特定する「戦略ロードマップ」の骨子を示した。経済産業相、文部科学相らが参加する同会議は、高速増殖原子炉「もんじゅ」の廃炉を視野に入れてて立ち上がったもの。
 骨子では、高速炉が本格的に利用される時期は、ウラン需給などを踏まえると、21世紀後半になると指摘。今後10年の進め方を、①競争を促しさまざまなアイデアを試す、②絞り込み、支援を重視化する、③開発課題及び工程について検討する--の3つのステップに区分した。国には、エネルギー基本計画などを通じて民間が技術提案を行うときの前提となる目標を提示し、また、技術の成熟度に応じて適切な規模の財政支援を行うことなどを求めている。高速炉の利用を選択する電力会社や、資金調達に関与する金融機関などに対しては、将来性のある技術について、早くから開発に関与していくことを要請している。

・ 反原発「グリーンピース」の変貌 2018/12/11

直接行動とメディア戦略が武器


 フランスのビュジェ原子力発電所にスーパーマンを模したドローンを激突させてテロ対策の不備をアピールし、日本が南極海で行っている調査捕鯨を過激な方法で妨害する――豊富な資金力と卓越した行動力で派手なパフォーマンスを見せる国際的な環境団体が、「グリーンピース」だ。近年、温暖化防止のためのキャンペーンを展開しており、石炭火力を主なターゲットとしている。そのため、かつての激しい反原発姿勢はややトーンダウンしている。
 グリーンピースが誕生したのは1971年のことだ。米国がアリューシャン列島で行おうとしていた2回目の核実験に反対して、抗議の船をカナダから出航させたことに始まる。当時のメンバーは10人。自然保護や平和運動に携わる会社員や教師、学者、学生などがその顔ぶれだった。

・ 【エネルギーを見る眼】「ゴーン・ショック」 問われるガバナンス 2018/12/11

薄れる企業風土重視や地域密着経営


 日産自動車のゴーン会長が逮捕されたニュースは、わが国のみならず世界全体に大きな衝撃を与えた。カリスマ的リーダーとして日仏の大手自動車会社をけん引してきた優秀な経営者像が一気に崩れ落ちてしまった。国際レベルで手腕を発揮できるトップが就任していれば、透明性の高い経営が実践されるだろうという期待感があったため、今回のような事件が起きるとは誰も想像できなかった。会社と個人をめぐる事実関係はこれから明白にされるが、エネルギー業界においても熟慮すべき問題が含まれているように見える。
 経済活動の自由化が進展するにつれて、企業間提携や合併再編成は活発化し、経営のグローバル化は加速化してきている。地理的なグローバル化に加え、業種を超えた融合化も起きているために、経営者層に多様な人材が入っているのも事実である。一企業を運営するのに複数国の出資者が関与している事例も多く見られる。

・ 【EWN】天然ガスの不確実な将来性 2050年後も使用されるか 2018/12/11

再エネに取って代わられることも


 天然ガスは、再生可能エネルギーあるいは石炭燃焼が発生させる高濃度CO2を分離・地下貯留するCCSが全面的に展開するまでの「つなぎ」エネルギーなのか、2050年以降も使用され続ける「終着」エネルギーなのか――。
 いずれガス産業は、この問いへの答えを迫られることになりそうだ。天然ガスの生産者側、例えば石油メジャーや産ガス国は、再エネや原子力でエネルギー需要の全てを賄うことは不可能であり、またCCSも量的・コスト的制約が大きく、どんな条約で何を決めようが、長期的に天然ガスに一定程度頼らざるを得ないと主張している。すなわち「低炭素化」は可能であり、その方向で努力すべきだが、「脱炭素化」は事実上不可能であると明言している。

・ 【スポット解説】サンチ号事故から教訓を 油流出対策でワークショップ 2018/12/11

 石油タンカー事故による原油流出対策をテーマにした石油連盟主催による国際的なワークショップが11月下旬、都内で開かれた。今年1月に東シナ海沖のタンカー衝突事故(サンチ号事故)で南西諸島などに油が漂着する被害が出たばかり。参加した8カ国約130人が熱心に聴き入った。
 石油業界が流出事故への対策強化を進めたのは、1989年3月のアラスカ湾で起きたタンカー座礁事故(エクソン・バルディーズ号事故)が契機。原油4万㎘が流出し、国際的な協力の必要性の認識が高まったためだ。

・ 【エネルギーを見る眼】沖縄の繁栄を支える 化石燃料の貴重な役割 2018/12/01

観光の振興で地域平和に貢献を太陽


 沖縄の本島と宮古島に行ってきた。観光産業が絶好調で毎年、海外旅行者数が20%ないし30%も増加している。人口も増え、電力需要も伸びている。
 島々の経済は、化石燃料、なかんずく石油が支えている。人々はジェット燃料を使って飛行機でやってくる。物資を運ぶ船はディーゼルエンジンで動いている。こういった往来が無ければ、島々は繁栄しないし、生活も出来ない。沖縄は13世紀以来、日本本土・中国・韓国などとの交易で賑わってきた。これは今も変わらない。

・ 【EWN】世界水準から大きく見劣り 石油開発企業の将来展開 2018/12/01

メジャーはシェール原料で石化事業も


 石油・天然ガスの開発分野で、日本の企業は世界企業と伍していけるか――。スーパーメジャー、国営企業、独立系石油会社(IOC) 、そのほかにサウジ基礎産業公社(SABIC)など、世界企業が膨大な利益を上げている中(表参照)、日本企業の脆弱な経営体質が明らかになっている。
 表は、各企業の規模比較を単純化するために、2018年度第2四半期(中間決算)の純利益だけを取り上げている。それぞれの企業特有の理由により、純利益が18年度の中間期で大きく変動しているものもあるが、純利益の規模で企業の規模と開発資金の自己負担能力などが判断できると想定した。

・ 【スポット解説】石油業界の災害対策 油槽所の整備が急務 2018/12/01

災害に強い燃料供給インフラを構築できるか


 総合資源エネルギー調査会(経済産業相の諮問機関)資源・燃料分科会が11月22日に開かれた。資源エネルギー庁事務局は、北海道胆振東部地震を受けて実施した、災害時の燃料供給に関わる重要インフラの緊急点検の結果と、それを踏まえた強靭化(きょうじんか)対策について報告した。
 燃料供給の分野では、2011年の東日本大震災発生当時、サプライチェーン全体でさまざまな問題が発生し、燃料の不足と大幅な供給遅延が起きたことを踏まえ、業界を挙げてさまざまな対策が講じてきた。その後の熊本地震、西日本豪雨、北海道胆振東部地震では、これらが功を奏した面がある一方、さらなる対策の必要性も浮き彫りとなった。

・ 【視点】燃料上昇や災害損失で電力会社7社が減益 2018/11/21

2018年度中間報告


・ 【エネルギーを見る眼】原子力の人材確保は 多様な専攻分野から 2018/11/21

電気、機械、化学などから優秀な人材が転入


・ 【EWN】天然ガス・LNGの 知られざる新潮流 2018/11/21

日本のエネルギー情勢に影響も


・ 【スポット解説】電力会社の無過失責任を継続 原賠法改正案が国会へ 2018/11/21

・ 【視点】原発裁判が運転容認の流れへ 2018/11/11

伊方3号機で広島高裁が逆転決定


・ 【エネルギーを見る眼】高速増殖炉「もんじゅ」を プルトニウム専焼炉に 2018/11/11

再処理路線とプル消滅の両立が可能


・ 【EWN】米電力業界に迫る サイバー攻撃の脅威 2018/11/11

司法省はロシア諜報局員を起訴


・ 【スポット解説】VPPの実証が官民で加速 見え始めた事業化の課題 2018/11/11

・ 【視点】エネルギー強靭化へ検討を開始 2018/11/01

競争政策重視から方針転換も


・ 【エネルギーを見る眼】地方鉄道は生き残れるか 2018/11/01

環境に優しい交通手段の将来


・ 【EWN】トランプ大統領が要請する イラン原油停止の波紋 2018/11/01

日本に求められる慎重かつ冷静な外交


・ 【スポット解説】大気汚染対策の給油所にお墨付き 全国59店にロゴマーク交付 2018/11/01

・ 【視点】大停電の再発防止が本格始動 2018/10/21

経産省はエネルギーインフラ強靭化に本腰


・ 【エネルギーを見る眼】水力開発が牽引する ブータンの経済成長 2018/10/21

グリーン成長の模範たるか


・ 【EWN】シェルがLNG開発に着手 背景に米中貿易戦争のリスク 2018/10/21

他エネルギーとの競争激化も


・ 【スポット解説】九電が再エネを出力制御 マスコミ論調は賛否で2分 2018/10/21

・ 【視点】海外で着実に進む原子力開発 2018/10/11

中国でAP1000、EPRが発電を開始


・ 【エネルギーを見る眼】安定・安価なエネルギーで 九州発の製品を世界に 2018/10/11

再エネに期待は持てるが拙速は禁物


・ 【EWN】欧州の電気事業者に積極投資 中国の送配電会社の海外展開 2018/10/11

ドイツは系統運用者の株式取得を阻止


・ 【スポット解説】さらなる競争促進へ ガス改革WG始まる 2018/10/11

・ 【視点】大規模停電で世耕経産相が情報発信 2018/10/01

前面に出て道民に対応を説明


・ 【エネルギーを見る眼】激しさ増す米中貿易摩擦 原油、天然ガス輸入に暗雲 2018/10/01

アラスカのLNG開発プロジェクトに影響も


・ 【EWN】丸紅が石炭火力から撤退 背景にダイベストメント運動 2018/10/01

環境問題に熱心な国々や機関投資家が参加


・ 【スポット解説】米国での地球温暖化対策 州・民間が熱心な取り組み 2018/10/01

・ 【視点】北海道で全国初のブラックアウト 2018/09/21

電源一極集中の危険性が浮き彫りに


・ 【エネルギーを見る眼】省エネ意識が緩んでいないか 合理的で持続可能な設定を 2018/09/21

温度設定に抗議したが…


・ 【EWN】埋蔵枯渇化で開発に注力 新ガス田で生産量が回復 2018/09/21

トリニダド、インドネシア、エジプトで生産が復活


・ 【スポット解説】エネ・環境行政の統合も 自民行革本部が提言 2018/09/21

・ 【視点】市民とともに原発問題の最適解を 2018/09/11

学・有識者が福島後の原子力政策を提言


・ 【エネルギーを見る眼】使い捨てプラスチック規制 日米とEUの温度差明らかに 2018/09/11

廃プラスチックを原料として利用検討も


・ 【EWN】太陽光と風力が競合も EUで進む再エネ競争入札 2018/09/11

技術区分にこだわらず複数を対等に評価


・ 【スポット解説】SS過疎対策が本格化 コンテナ型など実証始まる 2018/09/11

・ 【視点】民間でエネルギー転換求める動き拡大 2018/09/01

環境省、外務省らがシンポジウム


・ 【エネルギーを見る眼】ドイツは自国だけで 脱原発ができるのか 2018/09/01

電力需給での独仏間の関係を探ると


・ 【EWN】石油元売りの新たな展開 海外はコアエリア選定が鍵 2018/09/01

ベトナム、豪州などに続くのは


・ 【スポット解説】猛暑で電力需給ひっ迫 調整量の見直し論も浮上 2018/09/01

・ 【視点】気候変動「長期戦略」策定が始動 2018/08/11

首相は「温暖化対策は企業競争力の源泉」と強調


・ 【エネルギーを見る眼】求められる災害に 強い公共インフラ 2018/08/11

電力・ガス会社も防災の設備投資を


・ 【EWN】天然ガスのCO2排出を巡る 「環境原理主義者」の誤解 2018/08/11

パイプライン整備でフレア処理は減少


・ 【スポット解説】プルトニウム保有量を削減へ 六ヶ所工事の稼働に影響も 2018/08/11

・ 【視点】日本特有「記者クラブ」制度の功罪 2018/08/01

メディア最前線の舞台裏


・ 【エネルギーを見る眼】中央アジアを巡る ロシアと中国のせめぎ合い 2018/08/01

同じアジア人の日本企業に期待も


・ 【EWN】米電力業界が活用する 電子商取引プラットフォーム 2018/08/01

信頼できるアドバイザーとして需要家から評価も


・ 【スポット解説】炭素税創設への地ならしか 環境省小委立ち上げで議論再開 2018/08/01

・ 【視点】インバランス料金の算定式見直しへ 2018/07/21

需給調整市場までの過度的措置


・ 【エネルギーを見る眼】世界経済の動向と エネルギー需給 2018/07/21

10年ごとの大変動を予感しつつ


・ 【EWN】脱石油経済を図るサウジ 高価格志向の方針に転換か 2018/07/21

現在は60~70ドルを目指しているが


・ 【スポット解説】海洋基本計画が方針転換 国内資源開発に暗雲 2018/07/21

・ 【視点】太陽光発電「2019年問題」の行方 2018/07/11

保証期間終了後、大幅に下がる売電価格


・ 【エネルギーを見る眼】過熱する地球温暖化問題 「公式見解」は信じられるか 2018/07/11

環境への悪影響を心配する必要はなし


刊案内
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2019年03月
山本貴之
img メディア・バイアスの正体を明かす
2019年02月
小島正美
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2018年12月
芳田眞喜人
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